その日暮らしと日進月歩/2006-01-03

Last-modified: 2006-01-03 (火) 14:09:43 (6682d)
※※このサイトは2012年頃より更新を停止しています。※※

箱根駅伝

  • 続・復路戦 - 13:40
    9区で亜細亜大学がトップに立ち、10区そのまま逃げ切った。

    亜細亜大は初優勝。
    アンカーの選手の、日本橋を越えて大手町のゴールにたどり着くまでのあの笑顔。
    監督をはじめとしたチームの人々の喜びの様子。
    その会心の笑顔には、心震えるものがあった。

    対して、5連覇を逃した駒澤大学のアンカーの、ゴール直前に両手を合わせてチームメイトに「ごめん」の合図。
    脱水症状気味でグラグラになっての5位。
    みんなに対して「すまなかった」という気持ちでくぐるゴール。
    一つの戦いの終着点を、栄光ではなく雪辱で迎えるその姿を見ていると、どうしようもなく涙が出てきた。
    ここでも嗚咽が止められなかった。

    「走る」というシンプルな戦いだけど。
    これほどの感動を感じられる試合もなかなかないであろう。
    箱根駅伝。全国にファンがいるというのもうなずける。

  • 復路戦 - 11:20 AM
    TVを付けてみたら箱根駅伝の復路戦が始まっていた。
    8区平塚〜戸塚間。
    ちょうどものすごいドラマの真っ最中だった。

    トップを走っていた順天堂大学のキャプテン難波が走行中に脱水症状に陥ったようで蛇行状態に。グラグラになりながら水をもらったりしつつ走っていたよう。少し持ち直してどうにかまっすぐ走り出したところで、俺はTVを見始めた。
    後ろから迫る2位駒沢大学は5連覇を目指して逆転を狙っている。
    戸塚中継所までのダラダラと続くのぼり坂に差し掛かり、既に大きなダメージを受けている順天堂大学難波の体をさらに蝕む。
    100mごとにぐんぐん距離を詰める駒澤大学。しかし難波の意識はもはや朦朧としているようで、走ることで精一杯。
    解説者が言っていた。
    「個人のレースならとっくにやめている状態ですね。」
    次の人にタスキをつながないと。その思いだけが走りを支えているのが見てわかる。
    時折首を振りながら、グラついて沿道によったり中央ラインに戻ったりしながら走りを続ける姿に、思わず涙が出た。

    駒澤大学の選手が難波を今にも捕らえようという残り1km余りの地点、難波の様子が、限界に達していることを物語っていた。
    監督が水を手渡して勇気付ける。駒澤大学の選手が抜き去る。
    難波の足は本当に崩れ落ちそう。完全にグラグラになりながら走り続ける。
    戸塚中継所まで残り300mほどになったところで、難波の足が止まりかける。
    一瞬、歩いた。
    「もうだめかっっっっ」とこっちが歯を食いしばってしまう。
    止まってしまうかと思えたその瞬間、意識を持ち直して走り出す。
    もはやまるで歩くような走り。
    それでも次の選手の待つ中継点へ歩を進める。
    満身創痍ではあったが、確かに次の選手にタスキを渡した。

    見ていて、涙がボロボロこぼれた。
    嗚咽が止められたなかった。

  • 初夢か - 6:00 AM

    夢を見た。
    高校生の頃の、何かの試験前の風景。

    クラスの一人が「一緒に勉強しようぜ」つって、行ってみると、ある別の一人が「おーkimita、俺数学やばいばーよー。インストラクター頼むぜ」と。
    そいつは「答え見たらわかるんだけどよー。全然覚えきらんわけさー」ってなことを言って嘆いている。そして「なんでお前はそんな解けるわけ?」と。
    答えて曰く「答えの数字とか手順を覚えるなんて、わざわざしないどー。数学は、目の前に問題が突きつけられた時に、初めて解くつもりでやるもん。」と。

    様々に情熱を抱いていた頃の風景だった。

    「教える」という行為に取り組む上で何に重きを置くべきか。
    今その瞬間によって「人が必要としていること」ってのは色々あるから、一概には決めれない面がある。
    でも、俺が教えるという行為に際して一番意識していたことは、「覚えるのは繰り返してれば勝手に覚えるんだから、大事なのは、解き方を自分のものにすること、自分の解き方を作り上げること。」なんてことだったように思う。

    これは一面の真理ではある。しかし、どこでもその姿勢で向かうのはちょっとあつかましい。
    でも、俺が情熱的になれる場面というのは、そういう場面だったように思う。
    「情熱と呼べるものを失っている」と自分に感じてずいぶん経つ。
    俺の俺たる拠りどころはその無駄な情熱だけであったろうに。
    少し、思い出した。

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